不動産投資において、空室期間が続き賃料収入が途絶えることは大きな損失になります。
そこで、空室対策の一つとしてフリーレントを活用する方法があることをご存じでしょうか。
今回は賃貸物件におけるフリーレントについて、その特徴と入居者・大家さんそれぞれのメリット・デメリットを解説していきます。
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フリーレントとは、一定期間の家賃が無料になるサービスのことを指します。
期間に特別定めは無く、賃貸物件によって異なりますが、短くて2週間、長くて3か月程度となる場合が多いです。
フリーレントにより家賃が無料になる仕組み
家賃が一定期間無料になることは嬉しい内容である一方で、建物に欠陥など問題があるのではないかと疑う方もいるでしょう。
しかしそういったことは全く無く、賃貸付けを促進するための方法として導入されるようになりました。
空室を防ぐためなら、家賃を下げる方法もあります。
しかし家賃を下げてしまうと、同じ賃料で契約した入居者との公平性が失われることになります。
場合によっては、入居者から賃料の値下げを迫られる可能性も出てきます。
したがって、賃料を下げるよりもフリーレントを付与したほうがトラブルにも発展しづらくなるのです。
フリーレント付きの賃貸物件が増えてきた背景
フリーレント付きの物件は、2000年代に入ってから徐々に増えてきました。
理由は、賃貸物件の供給が増えていく一方で需要がそれに追いつかず、首都圏の空室率が上昇していったためです。
また、2015年におこなわれた税制改正によって、相続税対策として賃貸物件の建設が加速化していったことも影響しています。
このような状況下で空室を防ぐための対策として考案されたのが、フリーレントという仕組みです。
あらかじめフリーレントを条件とすることが可能
フリーレントの考えが広く浸透したことにより、今ではあらかじめ検索条件にフリーレントを入れて賃貸物件を探すことができるようになりました。
とはいえ、初めからフリーレント対象物件に絞ってしまうと件数がかなり少なくなってしまうため、おすすめはしません。
入居者のメリットや注意点

フリーレント付きの賃貸物件を選ぶことは、入居者にとってどのようなメリットがあるのでしょうか。
初期費用を抑えることができる
一つ目のメリットは、引っ越しの初期費用を抑えることができることです。
賃貸借契約を締結する際は、敷金や礼金、保険料や仲介手数料などの費用が嵩みます。
前家賃として、事前に賃料1か月分の支払いを求められることも多くあります。
しかし、フリーレント付きの賃貸物件であれば前家賃を払う必要が無くなり、その分の負担が軽減されることになるのです。
そこで浮いたお金を、家具や家電製品の購入費用に充てることもできるため嬉しいポイントです。
二重家賃の発生を防ぐことができる
現在住んでいる家を退去する場合、多くは1か月前に退去通知を出す必要があります。
したがって退去することを決めたあとも、もう1か月分の家賃を支払わなければなりません。
この場合、現在住んでいる物件と次に引っ越す予定の物件の契約期間が重なる、つまり両物件の賃料を払う期間が出てしまう可能性があります。
少々わかりづらい点であるため、具体例を用いて解説します。
たとえば、今住んでいる賃貸物件で3月31日に退去通知を出したとすると、退去日は4月30日となってその日まで賃料を払う必要があります。
また次の引っ越し先の入居日が4月15日であるとすると、その日から賃料の支払い義務が発生します。
よって4月15日〜4月30日間は、両物件において賃料の支払い義務が発生するという二重家賃状態になるのです。
もし次の引っ越し先がフリーレント対象であれば、この二重家賃を防ぐことができます。
フリーレントの注意点
入居者にとってメリットが大きいフリーレントですが、注意点もあるため必ず確認しましょう。
解約時に違約金が発生する場合がある
もしフリーレント対象物件で、家賃が無料になる期間だけ入居してすぐに退去されてしまっては、大家さんにとって何もメリットがありません。
そのため、フリーレント付きの賃貸物件を契約する際は、ほとんどの場合で「短期違約金」が設定されています。
これはその名のとおり、短期間で解約した場合は違約金が発生するという内容です。
その賃貸物件に長期的に住めるのかどうかは事前に確認しておきましょう。
家賃以外の費用は発生する場合がある
フリーレントとは、あくまで「家賃のみ」を無料とする契約です。
そのため、家賃以外の共益費や管理費は通常どおり入居者負担となることが多いため注意が必要です。
フリーレントだからといって安心せず、どこまでの費用が免除されるのかは確認しましょう。
大家さんがフリーレントを付与することのメリット・デメリット

大家さんが賃貸物件にフリーレントを付与することには、どのようなメリットがあるのでしょうか。
ほかの賃貸物件と差別化することができる
一つ目のメリットは、ほかの賃貸物件と差別化できる点です。
とくに同じような間取りや金額帯で迷っている場合は、当然フリーレント付きの賃貸物件を選ぶでしょう。
建物の立地や築年数は変えることができないため、差別化を図るにはこのように契約条件を変えることが一番早く簡単です。
家賃を下げずに済む
すでにお伝えしましたが、募集賃料を下げることは、既存の入居者に対しても悪い影響を及ぼす可能性があります。
また築年が経過して建物の老朽化が進んだり、周りに新しい建物ができたりすると今までの賃料を維持して入居者を集めることが難しくなります。
しかしフリーレントを条件にくわえることによって、賃料を下げずに新しい入居者を見つけられる可能性があります。
賃貸物件の資産価値の低下を防ぐことができる
家賃を下げずにフリーレントを導入することによって、結果的に資産価値の低下を防ぐことができます。
家賃を下げることによって不動産投資としての収益は減少し、その分資産価値も低下することになります。
不動産を売却する際も、その程度の収益性しか持たない不動産であると評価され、高値で売却できる可能性も低くなることが予想できます。
資産価値の低下を回避しつつ、空室対策をおこなうことができる点は大きなメリットです。
一方で、大家さんにとってはデメリットがあります。
収益性が悪化するリスクがある
賃料を下げるよりもフリーレントを付けることで収益性を保てるお話をしましたが、あまり多用しすぎることは良くありません。
一定期間分の賃料は受け取らないことになるので、その期間が長くなればなるほど収益への影響も大きくなります。
事前に想定される収益を計算して、どの程度のフリーレント期間であれば問題無いのかは確認しておきましょう。
短期解約時の違約金を設定しないと確実に損をする
入居者側の注意点でもお伝えしましたが、短期解約時の違約金を設定しておくことは非常に重要です。
必ず賃貸借契約書の内容にくわえましょう。
また退去時にトラブルの元になることも多いため、違約金が発生する旨は入居者へはしっかり伝えておいてください。
まとめ
今回は賃貸物件のフリーレントの特徴と、入居者と大家さんそれぞれの立場から見たメリット・デメリットを解説しました。
双方にとってメリットがあるフリーレントですが、退去時のトラブルの元になり得るため注意も必要です。
必ず賃貸借契約書内にも明記して、双方合意のもとで進めていきましょう。
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